干害とは 土壌の乾燥が作物に与える影響

 

干害とは

「干ばつ」という言葉を知っているでしょうか。

干ばつは降水量の減少や長期間の晴天や高温により土壌が著しく乾燥した状態のことです。

そして、この干ばつにより農作物の生長に悪影響を及ぼす被害・災害を「干害」といいます。

干ばつは、かつてはアフリカなどの限定した地域で起こる印象で水が豊富な日本ではあまり影響がないように感じるかもしれませんが、近年の地球温暖化など様々な要因で日本や世界各地で干ばつによる深刻な被害が発生しています。

日本では2025年7月、記録的な猛暑・少雨による干ばつにより、多くの野菜で品薄高が続きました。

  • 品薄高:供給側が品薄となり、需給バランスが崩れることで相場が上昇すること。

 

干害の影響は一時的なものに留まらず、収量の減少や品質の低下など長期的なダメージを農業に与えます。

近年の日本は気候変動の影響が顕著に現れ始めており、その対策は急務となっています。

 

干害・水不足のサイン

葉の変色
作物が水切れになると、葉の表面にある気孔を閉じ、体内の水分が外に逃げるのを防ごうとします。すると葉は丸まり、葉色の艶がなくなり、葉の色がいつもより濃く見えることがあります。
水切れを放置し続けるとやがて葉が黄色や茶色に変色し、落葉してしまいます。
葉の萎れ
乾燥が進むと、細胞内の水分が減り葉の張りがなくなり垂れ下がり、葉や茎を支えることができなくなり萎れてしまいます。
味の低下
果菜類の水不足は野菜の甘味が薄くなったり、苦味が強くなるという味にも影響を与えます。
病害虫の発生
水不足により作物が弱ると、病害虫が発生しやすくなります。
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生理障害「尻腐れ」の発生
ピーマンやトマトでは尻腐れという主に土壌の乾燥や高温、カルシウム不足で果実のお尻部分が黒く変色する生理障害が発生します。
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果実の日焼け
果菜類や果樹は高温や乾燥により果実表面が変色したり壊死する症状が発生します。
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EC値の上昇
土壌の乾燥は、土壌のEC(電気伝導率)に影響を与えます。乾燥した土壌は、肥料成分や塩分が濃縮され、EC値が高くなる傾向があります。栄養素が過剰だと塩類障害や肥料焼けなど作物の生長に悪影響を及ぼします。
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干害の対策

適切なかん水
最も基本的なのが水管理です。高温や少雨が予想される時期は朝と夕の地温が低い時間帯にかん水を行ったり、少量多かん水を行うなど作物や気候変動に合わせた水管理を行いましょう。
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水分蒸発の抑制
土壌表面からの水分蒸発を防ぐためにマルチや敷きわらを使用しましょう。
病害虫の監視
高温や乾燥時はハダニ類タバコガうどんこ病などの発生が多くなります。早期発見と適切な防除を行いましょう。
定期的な薬剤散布
高温や乾燥等によりカルシウム(石灰)欠乏が発生しやすピーマン、トマト、キャベツなどは定期的にカルシウム資材の葉面散布を行いましょう。
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遮光資材の設置
直射日光を遮ってくれる遮光ネットを設置し、作物の消耗を抑制してあげましょう。

 

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