
葉面散布とは
葉面散布とは、水に溶かした肥料を植物の葉の表面に直接散布する方法です。
葉は、植物の呼吸や光合成を行う重要な部分であり、葉を通じて直接農薬や肥料を取り入れることができる為効果が早く現れます。
葉面散布肥料は、そのまま使えるストレートタイプのものと原液を希釈して水で薄めるタイプがあります。
希釈するものは、スプレーボトルや噴霧器で細かい霧状にして、葉全体に行き渡るよう均一に散布します。散布は葉の表面だけでなく、吸収効率のいい裏面にもかけるようにしましょう。
葉面散布の効果
速効性がある
葉面散布は葉や茎、実に直接施肥し栄養分が補給されるため、即効性があり効果的です。
土壌の根から吸収される場合よりも早く植物内へと浸透していきます。
また、根から吸収されにくいものや吸収できたとしても時間がかかる栄養素もあるので、それらを葉面散布で補うということもできます。
土壌環境が悪い場合(高い塩類濃度や湿害、土壌病原菌の存在等)により、根が養分を吸収する力が低下した場合も葉から養分を吸収させる葉面散布剤の効果が発揮されます。
但し即効性がある分、効果は一時的です。より効果を得られるように、定期的に散布する必要があります。
生育促進剤としての効果
葉面散布剤は肥料として作物の栄養補給をするだけでなく、促進剤として光合成や植物ホルモンの良好な循環を促す目的もあります。
例えば、光合成に必要な成分である「アミノ酸」を含んだ葉面散布剤を曇雨天や日射量が少ない時期や低温期に散布することで光合成を促進させ、品質の向上や収量を増やすことが出来ます。
病害虫の防除
病害虫を防除する農薬の葉面散布は、葉に農薬を効率的に付着させて防除することができます。
肥料効果のある葉面散布剤と農薬を混用できるものがあります。
2つを混ぜることで、葉面散布剤単体で散布するよりも作業効率が上がります。
但し、誤った使用方法で薬害を起こしてしまわないよう、取扱説明書をよく読み、農薬との混用は慎重に行いましょう。
成り疲れ対策
成り疲れとは果菜類に多く見られる現象で、収穫が進むにつれて収量の低下や草勢の低下などが起こることです。
成り疲れの原因は株が次々と果実をつけたことにより作物の負担が増しスタミナがなくなり、水や肥料を吸収するといった根の働きが悪くなると症状が出ることが多くなります。
他にも、窒素などの元肥を使い果たしたことや、果実の肥大に必要なリン酸やマグネシウム等の栄養素が不足するためです。
用途に応じた成分を含む葉面散布剤を使用し、成り疲れの株を回復させましょう。
生理障害対策
カルシウムの欠乏によりピーマンやトマトなど果菜類の生理障害である尻腐れが発生します。
これは高温や土壌の乾燥、根からのカルシウム吸収が抑制された場合や、作物の体内でのカルシウムの移動が抑制された場合に発生するものです。
高温が予測される1週間程前にカルシウム資材を早期に葉面散布することで尻腐れの発生を抑えることが出来ます。
葉面散布は応急的な措置
葉面散布による養分補給は補助手段であり、応急的な処置です。
葉面のみの為吸収できる量が限られ、即効性がある反面効果が持続しにくい傾向があります。
根からの栄養分吸収が十分行われるように、土壌環境の管理や施肥などを適切に行う必要があります。