ピーマン育苗設備を解説します

 

ピーマン農家の小野寺です!岩手県一関市でピーマンを栽培しておりますが現在の作付け面積は約45a、今後100aまで面積を拡大させてピーマン販売額3000万円を目指して日々農業に励んでいます!

今日はピーマンの育苗設備について解説していきます。

ピーマン栽培を大規模化して本格的に挑戦していくのであれば、苗も自分で作れた方が確実に費用を抑えることができるので勇気は必要ですが挑戦する価値はありますので頑張ってください。

今回は育苗設備の資材や設備をご紹介します。ではよろしくお願いします。

 

 

ⅰ 設備の紹介

 

まずはセルトレイ用の育苗設備のご紹介です。

基本的には地面でも育苗はできるのですが、作業負担を考えると腰の高さで管理できた方が良いので、私は単管パイプを組み合わせて育苗用の作業台を自作しました。

イメージとしては腰の高さで単管パイプを組みベニヤ板を乗せて作業台を作ります。

その上に育苗用のマットなどを敷きアーチ状のトンネル資材と農ビ、毛布などでトンネルを準備します。

そこに種まきしたセルトレイを置き、あとは発芽するまで温度を保温させればOKです。

 

種まき~苗までの流れ

初めての方はまったく育苗の事は分からないと思いますので、ざっくりとした種まきから苗ができるまでの工程をまとめてみました。難しく感じるかもしれませんが安心してください!

私も最初は不安でした! 

始めはみんな一緒です。ですが失敗してもいいんです。

まずは挑戦することで次の成長に必ず繋がります。では流れを説明します。

 

【種まき~苗ができるまで】

①育苗用設備を準備(セルトレイ用)

②セルトレイに育苗培土を入れる

③育苗培土の地温を高め、種まきをする

種まきをして1週間程度で芽がでてきます。発芽するためには温度が25℃程度ないといけないので、育苗設備はハウス内で、さらに育苗設備の中で保温する方法が安心です。

④発芽した後は温度、水、光の管理

⑤本葉が2.5枚程度になったら鉢上げ

鉢上げする準備をします。私達はJA様から培土を購入しており、セルトレイにはソイルフレイド育苗培土、鉢上げ用ポットには果菜子床専用培土というものを使用しております。鉢上げする前にポットも温めておく必要があります。 

 

⑥鉢上げ

鉢上げポットを今度は苗育苗用のトンネルに移します。ここでは2つ保温方法があります。

①お湯で保温する方法

②電熱線で保温する方法 

上記の方法で苗を最低でも夜間温度10度を下回らないように温度管理をして苗を育てます。

氷点下になるとピーマンの苗は枯れてしまうので要注意です。

育苗のハウスの中でさらに2重カーテン、そしてトンネル保温で1月~3月までの低温から苗を守り抜く必要があります。

 

⑦苗が完成し定植

大切に育てた苗をいよいよ定植します。定植方法についても解説していますのでぜひ参考にしてください。

 

ⅱ 必要な資材と備品一覧

 

続いてセルトレイ用の育苗設備に必要な資材と備品を一覧にしてまとめましたのでぜひ参考にしてください。商品のリンクも貼っておきます。

 

 

【資材、備品一覧】

(1帖=約1000粒種まきの例) 

 

①農電マット+温度サーモ 

 

 

②セルトレイ200穴

※お近くのホームセンターへ 

③農ビニール 2.3m×5m程度

※お近くにホームセンターへ 

④トンネル資材 

※お近くのホームセンターへ

⑤毛布

※お近くのホームセンターへ

⑦不織布(黒)1m×2m

※お近くのホームセンターへ 

⑧吸水シート(※0.9m×2mでOK)

※お近くのホームセンターへ 

⑨育苗用培土(ソイルフレイド)

※お近くのJA様へ

 

育苗マット、吸水マット、不織布を敷きその上にセルトレイを置きます。保温性能もかなり高まりますので安定した発芽が期待できます。

 

ⅲ 4月定植ならば1月中旬には種まき

 

種まきから定植までは当たり前ですが時間がかかります。育苗している期間は温度管理はもちろん水管理、トンネルの開閉作業など少なからず手間暇がかかります。

また、いつ定植するのか?によって種まきの時期を調整する必要があります。

種まきから定植苗が完成するまでの期間は、60日~90日ぐらい期間がかかります。

ハウス内の温度管理によって生育調整もできるようですが、4月上旬に定植するなら遅くても1月中旬までには種まきをする必要があります。

とは言え、2月でも3月でも種まきして苗を作り定植することは可能ですので、間に合わなかったと落ち込まず設備を準備して挑戦してみてはいかがでしょうか。

関連ページでも様々な情報を掲載していますのでぜひ参考にしていただけると嬉しいです。

 

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