ピーマン苗のトンネル保温について

苗のトンネル保温の方法を解説します

今回はセルトレイで発芽させた苗を鉢上げした後におこなうトンネル保温の方法を解説していきます。

種まきから定植までの大きな作業手順は次の通りです。

①セルトレイに播種する

■ピーマン播種(種まき)準備

■ピーマン育苗方法を解説 

②育苗設備で発芽させる

■ピーマン育苗設備を解説 

③成長した苗を鉢上げする

■鉢上げ方法を解説 

④鉢上げした苗をトンネル内で育苗する

  • チェック:今回の内容です!

 

⑤成長したポット苗を定植する

■ピーマン定植方法を解説

 

ピーマンの苗を購入すると、1本100円~150円します。

ピーマンの種は1粒10円ですので、大規模にピーマン栽培を計画している方は、苗の育苗に挑戦した方がコストを確実に抑えることができますのでぜひ挑戦してみてください。

今回の内容は、

・ピーマン苗の育苗に挑戦したい人

・育苗設備に興味のある人

向けの内容となりますのでよろしくお願いします。

 

ⅰ お湯で保温するボイラー設備 

 

トンネル保温の時期は2月~3月となりますが、東日本、特に東北地域は夜温が氷点下となりますのでビニールハウスの中でトンネルをかけていても苗が枯れてしまう、もしくは全く成長しないという可能性があります。

そこで、トンネルの中あるいはビニールハウスの中を温めて成長を促し4月上旬の定植時期までに成長するようにトンネル保温をする必要があります。

トンネル保温の方法としてはいくつか方法があります。代表的な方法をご紹介したいと思います。

・温風で温める方法

・電熱線で温める方法

・お湯で温める方法

となりますが、

今回ご紹介するのは、実際に私達が導入しているお湯でトンネル内を温める方法です。

地温を温める方法ですので、温風による葉焼けの心配はなく、トンネル内の温度を均一に保つことができるため多くの農家様が導入している保温方法となります。

 

ショウオンボイラーを使用し地中に埋めた配管にお湯を流すことでトンネル内を温めます。

トンネル内の地表にはポットから根が張り出さないようにビニールなどを敷きその上に鉢上げしたポットを載せていきます。

 

また温度感知器がついている為、トンネル内の温度が下がったら自動でお湯を流し温度を維持することができます。

デメリットはありますか?

今回ご紹介するショウオンボイラのデメリットを述べるとすると、

・灯油が必要となる、燃料確認が必要

・極寒となると水が氷る可能性がある

・電気が止まると動かない

・配管をする為、育苗専用のハウスになってしまう

などがありますが、それでも苗を自ら育苗できる方がパフォーマンスが良い為、私達は継続して取り組んでいます。

ショウオンボイラを稼働するにあたり必要な工事がいくつかあります。

・水道工事

・電気工事

・内部配管工事

となります。詳細は取扱説明書にも記載されておりますし、近日中に設備のご紹介もしたいと思います。

【関連記事】

■ショウオンボイラを解説

 

最初は少し面倒ではありますが、完成してしまえば長く使える設備ですのでぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか?

 

ⅱ5,000本作る設備のサイズ

次にトンネル保温設備のサイズについて解説したいと思います。作る苗の本数によって設備のサイズは異なりますので注意が必要です。

 

①10本~100本程度

苗が少量であれば、セルトレイ用の育苗設備でも苗を育てることができます。

このような設備を整えることで、電熱線を張り地温を確保する方法も出来ますので一つ選択肢に入れても良いと思います。

②100本以上

100本以上、すなわち大規模でピーマン生産に挑戦したい人は、トンネル保温に必要なビニールハウスのサイズを把握しておく必要があります。

苗の配置やポットの大きさ、設備の使い方によって置ける量は変化しますが、まずは私達の設備を参考に解説したいと思います。

ビニールハウスのサイズ

間口4間7.2m×奥行き25m程度の大きさのビニールハウスを準備できた場合、育苗できる苗の最大本数は約5,000本となります。

計算方法としては、畝の長さが仮に25mだとすると、10㎝ポットが10本畝に乗りますので、250列を並べると

1畝あたり10本×250本=2,500本

2畝だと5,000本並べることが出来ます。

ここで注意が必要なのは、ピーマンの苗が大きくなると隣同士が重なり、徒長しやすくなるため隣のポットを移動する必要があります。

すると、倍の面積が必要となるため、4間×15間のサイズですと最大で5,000本しか並べることはできません。

この点をしっかり確認して必要な面積を計算してみてください。

この図のように苗が大きくなってきたら、密植を避けてずらして並べる必要があります。

 

今回はお湯を使ったトンネル保温方法を解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

苗を自分で作れるようになれば専業農家も夢ではありません。

私も苗を始めて作ったときは不安でした。ですが、勇気を出して挑戦して良かったと心から思っています。

これからさらに詳しくピーマン作業について解説していきますのでぜひ参考にしていただき一緒に農業を盛り上げていきましょう。 

 

ⅲYouTubeにて解説

今回の内容を動画でも解説していますのでぜひこちらもご確認ください。 

■YouTube動画を見る