ピーマン追肥のコツを解説

 

ピーマンは多肥性の野菜で収穫期間も6月~10月と長いため、適度に追肥を行い肥料切れを防ぐ必要があります。

しかし、肥料をあげすぎてもピーマンが育たなくなってしまう場合もあります。

このページでは追肥のコツと肥料不足、肥料過多の症状を詳しく解説していきます。

ハウス

生育初期(4~6月)
苗を植え付けてから約2週間後を目安に追肥を行います。その後は、株の様子を見ながら1か月に1~2回施します。
6月頃から着果量が増加し、株に着果負担がかかってくる時期です。夏場7~8月の草勢維持の為、この時期の肥料切れに注意しましょう。
生育中期(7~8月)
7月頃は1回目の収穫ピークを迎える為、それに伴い肥料の吸収量も増加します。草勢を見ながら追肥の間隔を短くして施しましょう。
追肥が遅れると草勢が低下し側枝の伸びや果実の肥大が鈍くなり、収量が低下してしまいます。
生育後期(9月以降)
着果状況を見て加減しながら追肥しましょう。9月以降に追肥をしすぎると土壌に肥料が蓄積したまま、翌年の栽培に悪影響を及ぼします。
9月下旬~10月上旬を目安の追肥は終了しましょう。

 

トンネル・露地

生育初期(5~6月)
基本的には追肥は行いませんが、明らかに肥料不足と思われる場合のみ追肥を施しましょう。
生育中期(7~8月)
10日~2週間に1回を目安に定期的な追肥を行いましょう。8月中にしっかり肥料を吸収させ、9月以降の草勢維持に繋げましょう。
生育後期(9月以降)
9月も1~2回程度は追肥を行いましょう。株の老化や地温低下により草勢や根の働きが弱っている場合は葉面散布剤も併用しても良いでしょう。

 

肥料不足の症状

花付きが悪く花が極端に小さい
花が咲いてもすぐに散ってしまう落花が多くなったり、花がどんどん小さくなってしまうことがあります。株が疲れる栽培後期ではあり得ることですが、収穫最盛期に落花や花の縮小が多い場合は肥料が不足している可能性があります。
葉の色が薄い
葉の色が薄くなったり、黄色っぽく変色してしまいます。
黄色い葉が増えたときは窒素分が不足しているサインです。
実がならない・小さい・変形している
落花や花が小さいと受粉がうまくできず着果量も減ってしまいます。
実がならないときや花が落花するときはリン酸が不足しているサインです。

 

ポイント
ピーマンが生育し始めの苗の頃は、チッ素を多く含む肥料を与えて大きな株に育てましょう。
株がある程度成長し果実がつきはじめたら、2週間に1回を目安にリン酸を多く含む肥料を与えましょう。リン酸は実を大きくする効果があります。

 

 

肥料過多の症状

葉や株全体がしなびて焼けたようになります
葉が元気なく萎れていたり、葉端が茶色や白っぽく枯れたりした場合、肥料の濃度が濃すぎて根からうまく水分を吸収できなくなってしまって起こります。水不足や水分過多で現れる症状と似ています。
葉の色が濃くなる
品種により葉の色が異なるので見分けが付きにくいですが、インターネットの写真と比べて濃い状態であれば肥料過多が疑われます。
花付きや実付きが悪い
葉や茎がしっかりしているのにも関わらず花付きが悪かったりや着果不良が多い場合は主に窒素分の肥料過多である可能性があります。
根腐れ
若い根は通常白色ですが、肥料過多により根が死んでしまうと濃い茶色又は黒色になってしまいます。根腐れが全体に広がってしまうと株ごと死んでしまいます。

 

肥料過多の改善方法

水やり
いつもより水やりを多くします。根に蓄積された過剰な肥料の流亡を促します。
但し過剰な水やりも根の腐敗を起こす可能性があるので注意しましょう。
肥料の調整
追肥量を減らしたり、追肥の間隔を調整しましょう。生長状態や環境条件に応じて施肥量を見直しましょう。

 

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