肥料の種類について

 

元肥とは

野菜に肥料を与えることを「施肥」と言い、植物の植え付けや植え替え前に元気に育つようにするためにあらかじめ土へ施しておく肥料のことを「元肥(もとごえ)」と言います。

「基肥(きひ)」や「原肥(げんぴ)」とも呼ばれます。

元肥には本来自然界の土が持つ栄養を再現・補うという役割があり、すぐに肥料効果を期待する目的でないため、有機質肥料をベースにした遅効性の肥料か、緩効性肥料、堆肥を使用します。

 

遅効性肥料(ちこうせいひりょう)
施肥したときには作物が吸収できず、1ヶ月ほど後から長期間に渡って効果が持続する肥料

・微生物による分解などを経て吸収できる有機質肥料

・成分が溶けづらい不溶性の肥料

主に骨粉や油かすなど、動物や植物由来の有機質の肥料を指します。

 

緩効性肥料(かんこうせいひりょう)
施肥から緩やかに効果を発揮し始め、数ヶ月~半年など長く効果が持続する肥料

・窒素・リン酸・カリをバランス良く配合し、水によってゆっくり分解されていくIB肥料

・化成肥料の表面を半(非)透水性の膜でコーティングされた被覆複合化成肥料(コーティング肥料)

など

 

追肥とは

追肥とは、植物の生育の生育に応じて、必要な栄養を補うために追加で施す肥料のことです。

元肥は、苗を植えてから水やりや雨が降り流されたり、野菜自らの生長で根から吸収されて徐々に肥料成分が吸収・流亡していくので肥料切れになっていきます。

その為、すぐに効果が現れる化成肥料や速効性の液体肥料を一般的に利用します。

 

速効性肥料
肥料を施肥するとすぐに効果が現れますが、長続きはしません。

・一般的には液体、粉状、粒状の化成肥料、無機質肥料の単肥など

 

形状

液体肥料(液肥)
水で薄めて使う原液タイプのもの、そのまま使えるストレートタイプのものがあります。水やりと同時に追肥ができるメリットがあります。
固型肥料
土に混ぜる、ばら撒く、土に置く錠剤などがあります。無機質肥料が原料のものは緩効性、有機質肥料のものは遅効性です。
葉面散布剤
植物は葉や茎、果実からも栄養分を吸収する性質を持ちます。その性質を利用し植物体に直接散布することができ、速効性があります。液体のタイプと粉状のタイプがあります。

 

原料

有機質肥料
動植物由来の原料を使い作られている肥料

油かすや魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物を原料として作られています。

有機物を土壌微生物が発酵・分解することで、徐々に植物が吸収できる養分に変化します。

そのため肥料の効き始めがやや遅く、肥効が長く続きやすい肥料が多いです(緩効性肥料、遅効性肥料)。

無機質肥料
鉱物などの原料から化学的に合成して作られた肥

化学肥料や化成肥料ともいわれます。

無機質の栄養素を1種類含む単一肥料と2種類以上含む複合肥料があります。

植物の成長に欠かせない三要素、窒素、リン酸、カリウムを含む様々な要素がバランスよく配合されております。

即効性が高く素早く植物に栄養が届くという特長があります。

市場で安定的に供給されているため簡単に入手できます。

有機質肥料と無機質肥料ではどちらが優れている、どちらが必要でどちらかが不要ということではなく、土壌や作物の状態により使い方や施肥のタイミングを見極めることが重要です。