
規格外とは
規格外野菜という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
規格外野菜とは、大きさや色、形などが市場で定められた規格にあてはまらない野菜のことを指します。
規格は野菜などの作物を市場で流通させるために、大きさはS・M・L、形や色、品質にはA・Bという分類が、他にも重量や傷の有無などの規格も存在します。
味は規格品と同じにもかかわらず、規格に合わないものは規格外野菜として商品として出荷されずに消費者の手元に届くことなく廃棄処分されてしまう場合があります。
カット野菜や加工食品、ジュースなどとして流通することもありますが、一部の規格外野菜に限ります。
規格を設ける理由は、取引や流通をスムーズに行うことで産地が日によって違う野菜も価格を統一して店頭に並べられることや、色や形が整った野菜の方が消費者に選ばれやすいということも関係しています。
また、規格外野菜を廃棄せずに流通量が増えると、供給量が過剰となり正規品の市場価値が下がってしまうという懸念もあります。
ピーマンの規格外品

変形果
実の先が細長くなってしまったり、ひん曲がってしまったり、しわが寄って形が悪くなってしまったり、スーパーで売っているような真っ直ぐふっくらとした実にならないピーマンのことです。このように形が悪いピーマンのことを「変形果」や「奇形果」、「異型果」と言います。
【関連記事:■変形果を解説】

コブ果(双子果・子持ち果)
へたの隙間からコブのように果実が出てきたり、2個結合したような果実になってしまうピーマンのことです。

白果
生育時の日照不足による生理障害の一つで、果実の色が全体的または一部白かったり薄かったり濃い緑色でないピーマンのことです。
【関連記事:■白果の原因と対策】

キズ果
果実を落としてしまったり何かにぶつけてしまったり、ハサミや爪等で果実が傷ついたり、何らかの理由で可食部が変色してしまったピーマンのことです。

灰色カビ果
発病は開花後の花びら(花かす)から始まり、茎、葉、花弁にまだら模様の病斑が発生し、症状が進行すると灰色のかびが付着します。
果実に花びらが付着したまま感染した場合、果実表面に黒い斑点やザラザラの小突起が生じます。
【関連記事:■灰色カビ病被害の対策】

ヒビ果
果実の表面がひび割れたようにザラザラとしているピーマンのことです。

軸抜け
収穫の際にピーマンを引っ張り、軸が抜けてしまったピーマン
柔かくなりやすいです。
規格外ピーマンの活用法
我が社では規格外ピーマンを下記のように活用しています。
- ふるさと納税
- 「【訳あり】ふぞろいピーマン 10kg」をふるさと納税の返礼品として全国の皆様に発送しています。これまでに150件を越える寄付をいただいております。
- 道の駅やスーパーでの販売
- 200~250gに袋詰めをして近隣の道の駅や契約しているスーパーで訳あり品としてお得に販売していただいております。
規格外ピーマンを買取します!
現在弊社では家庭菜園及び規格外のピーマンを買取りしております。
地方の強みである農地を活かし収入を増やす仕組み作りに挑戦してみませんか?ぜひ私達にそのお手伝いをさせてください。
詳細は ■家庭菜園&規格外ピーマン買取ページ をご参照ください。
廃棄処分行きのピーマン
上記で紹介したピーマンの他に規格外にもできずに廃処分行きのピーマンがあります。
病害虫
小さく丸い穴が空いているピーマンはタバコガやヨトウムシの食害を受けたピーマンで、ピーマンの中に幼虫がまだいたり幼虫の糞だらけです。
見つけた場合は必ず幼虫を処分してから廃棄します。
他にもアザミウマの被害では主にへたと果実の隙間に潜んで果実の変色、ホコリダニの被害では果実にかすり状に傷ができます。
アブラムシは排泄物で果実がすす状の汚れやベタベタになってしまいます。
尻腐れ果
果実の下部が黒く変色し腐敗する生理障害です。
最初は小さくても徐々に広範囲に広がっていきます。
日焼け果
果実上部の日が当たりやすい部分が黄ばんだり組織の壊死で変色してしまう生理障害です。
傷が深い
収穫時にハサミで深く傷つけてしまったり、ピーマンを落として傷が多くついたものは、柔かくなりやすいため廃棄します。
病害虫の被害以外のピーマンはカットすれば問題なく食べることができるので廃棄を少なくするべく社員で持ち帰ったりしますが、それでも毎年多くの廃棄が出てしまいます。
傷は一人一人が注意すればなくなりますし、病害虫や生理障害も対策をすれば被害を減らすことができます。
廃棄をゼロにすることは難しいかもしれませんが、より多くのピーマンをお届けできるように工夫していきたいです。