ピーマン萎れる原因~根洗い作業~

 

「根洗い」を行うことで枯れる株が減ることをご存じでしょうか?

ピーマンを栽培していると施用した肥料が土壌に年々蓄積し肥料濃度が高くなっていしまい株に障害が発生することがあります。

ピーマンは収穫期間が長いです。途中で病害が発生すると回復は難しいので予防が大事です。

農薬以外で病気や障害などによる株の枯れを予防できる「根洗い」について詳しく解説していきます。

 

 

ⅰ肥料の蓄積(肥料焼け)とは?

露地栽培の場合、肥料は降雨や降雪により流出しますが、ハウス栽培の場合は地下部分の水分が地表面に上がってきて蒸発してしまいます。

そして水が蒸発した後に一緒に溶けていた肥料成分は地表面に残ってしまいます。

マルチで土壌を覆っている場合は植穴部分からしか水分の蒸発がなく残った肥料成分が地際部に蓄積してしまい株元に障害が起こりやすくなってしまいます。

 

ⅱ肥料の蓄積による株への影響

定植後1ヶ月半頃からハウス内でのピーマンの生育にばらつきがみられるようになります。

障害を受けた株は地際部がくびれてしまいます。

症状がひどくなると腐敗し地上部は枯れてしまいます。

一方で健全な株元はとっくり型に肥大していきます。

 

ⅲ根洗いの方法

定植し活着した後(45~50日頃)、株元に大量のかん水を行います。

地際部の土をホースや動力噴霧器等を使用し水圧をかけ、塩類等肥料成分の蓄積を大量の水で洗い流し根を露出させます。

根が露出することで根に光が当たり、やがて根が緑色になりしっかりとしてきます。

 

ポイント

・大量にかん水を行ったことで株元が過湿状態になります。土がよく乾くような晴れた暖かい日に行いましょう。

・土壌水分過多が続くと過湿状態になり病害が発生する恐れがあります。適湿となるまでかん水を控えましょう。

・根洗い以外にも定植前に必ず土壌診断を行い、結果に基づいた施肥を行い肥料成分の蓄積を予防しましょう。

関連記事

■ピーマンが育たない原因 肥料焼け