ピーマンをはじめナスやトマト、キュウリ、オクラ、枝豆、ゴーヤ等の夏野菜は高温多湿な環境で栽培することが多く、気温や地温が低下すると生育が抑制され「低温障害」が生じることがあります。
低温障害は生理障害のひとつで農作物の生育に悪影響を与えてしまいます。
このページでは低温障害について詳しく解説していきます。
低温障害とは
- 低温障害
- 葉の変色や萎れ、縮れ、果実の生育が抑制されるなどの症状が出ます。
- ピーマンは元々熱帯で育てられており低温に弱い為、10〜12℃以下の環境に一定期間さらされると低温障害が発生します。
- 定植直後の早春や栽培後期の晩秋は特に朝晩の気温の低下により低温障害が起こりやすいです。
- ピーマンは元々熱帯で育てられており低温に弱い為、10〜12℃以下の環境に一定期間さらされると低温障害が発生します。
- 凍害
- 0℃近くの低温により、作物の一部または全体が凍結し枯死してしまうことです。気温が0℃以下に下がった場合に発生しやすい症状です。
- 霜害
- 霜が降りた際に発生する症状です。最低気温が0℃以下になると地表付近の空気の水蒸気が凍りつき、作物が凍結します。
- 早春や晩秋の晴れた日に発生しやすく、放射冷却が地表の温度を下げる原因となっています。
低温障害の症状
葉茎
低温により葉緑素の合成が抑制され、葉の色が変化してしまいます。
具体的には葉茎が枯死して茶色く変色したり、低温により水分が凍結することにより細胞内の水分が蒸発したり、低温によって根からの水分吸収が低下し葉が水分不足になり、葉が萎れてしまうことがあります。
花
低温障害が起こると、作物の生育が抑制され、開花が遅れてしまいます。
果実
低温により受粉が行われず単為結果となってしまったり、果実が十分に肥大できなくなります。
低温対策
被覆資材を利用する
被覆資材を利用することで、風除けや地温を上げ農作物の低温障害を軽減することができます。
被覆資材には、ポリエチレンフィルム、不織布などがあります。
【 関連記事:■トンネル被覆 】
水はけの改善
土壌の水はけが悪いと、水が溜まり土壌が冷え込みやすくなります。
排水溝を掘る、土壌改良剤の施用、畝を作るなどを用いて水はけを良くすることも低温障害を軽減できます。
【 関連記事:■湿害とは 】
葉面散布
葉面散布は、葉の表面に液体肥料やアミノ酸液、ホルモン液などを散布する方法です。
葉面散布は日照不足などによる低温期の光合成を助け農作物の生育を促進したり、低温障害から保護する効果もあります。
内張りカーテン(保温カーテン)を利用する
ハウス栽培では内張りカーテン(保温カーテン)を保温・吸湿・透湿・遮光・遮熱の目的で利用することができます。
寒い時期は内張りをすることで暖かい空気が屋外に伝わりにくくなります。
暖房器具の利用
ハウス栽培では暖房器具を使用することで室内の温度を一定に保つことができます。
暖房機具は石油ストーブやガスストーブ、電気ストーブなどがあります。