硫酸アンモニウムとは
硫酸アンモニウム(=硫安「りゅうあん」)とは化学肥料であり、窒素のみを含んだ単肥です。
窒素は、アミノ酸やタンパク質などとして植物のからだを構成しており、作物の生育に欠かせない重要な成分です。
肥料の三大要素(「窒素」「リン酸」「カリウム」)のひとつで、作物の葉や茎・根の生長を支える為にさまざまな窒素肥料が使われます。
但し、窒素だけでは作物の生育は不十分なために他の肥料と合わせて使う事が多いです。
硫酸アンモニウムの特徴
- 土壌pHを下げる
硫安は土壌のpHを徐々に低下させる効果があるので、アルカリ性に傾いた土壌の酸度矯正に使われる場合があります。
- 速効性がある
硫安は水溶性で溶解性が高く、土壌施用後によく溶け出しすぐに作物に吸収されるという特徴があります。
- 窒素成分が少なめで扱いやすい
硫安に含まれる窒素成分は20~21%です。
43%以上も窒素を含んでいる尿素に比べると施肥量をコントロールしやすく、窒素過多による徒長や病害虫の発生を防ぐことができます。
硫酸アンモニウムの使い方
- 元肥として直接散布
硫安はそのまま元肥として土壌に混ぜ込みます。
- 追肥として
即効性があるので追肥に使うと効果的です。
粒のままでも使えますが、追肥として500倍に溶かして液肥としての使い方もあります。
植物の葉茎の生育を促すので、育ってきた苗に追肥として施すと良いでしょう。
施用時の注意点
- 石灰資材と同時に施用しない
硫安と石灰資材を同時に施すと、植物にとって有害なアンモニアガスを発生させます。
更に窒素成分が植物に供給できずにガスとして空気中に逃げてしまうため同時施用をせず、7〜10日ほど間を空けて施すようにします。
- 土壌の酸性化に注意
長期的な多量施用や作物が肥料分を吸収した後、副成分の硫酸が残ると土壌が酸性化するため、施肥量に注意しましょう。
土壌のpH(酸性度)を計測し、その作物に合ったpH調整が必要です。
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- 他の単肥と組み合わせて施用も
その時々に足りない成分をピンポイントで補うことができますし、異なる単肥を組み合わせて使うこともできます。
硫安は窒素成分しか含まれていませんので、他の三大要素であるリン酸やカリ肥料と組み合わせて補いましょう。