ピーマンのアブラムシ被害への対策と農薬について

短期間で繁殖力があり葉にびっしりとつくことがあるアブラムシ。

葉の汁を吸うため、ピーマンの葉が黄色く変色します。ウイルスを媒介して病気をもたらすこともある危険な虫です。

 

Youtube動画で解説

■アブラムシの対策方法と農薬をご紹介

 

アブラムシ類の被害

生態

ピーマンでは主にモモアカアブラムシ、ワタアブラムシが発生します。体長は約1~2mm程度です。

アブラムシは極端な寒さや暑さに弱いので4~6月、9~10月の穏やかな気候の時期は特に活発に活動し繁殖します。

露地よりもハウスで急激に増殖し、ハウス内では雑草や作物残渣部分で越冬可能です。

圃場外からの侵入は4月~5月に有翅虫の飛来により、その後、無翅虫が増殖します。

ピーマンは生育が旺盛で葉が繁茂しやすく、そのような場所は風通しが悪いためアブラムシにとっては寄生しやすい環境になります。

アブラムシはメスだけで子供を産むことができる単為生殖という生態をしています。春や秋の繁殖期になると毎日卵を産むため繁殖力が非常に高く、数日でかなりの数に増殖しているということもあります。

 

被害

アブラムシはピーマンの葉や茎などに口針を刺して栄養分を吸い取るため、アブラムシがピーマンの芽や若葉、つぼみや葉の裏につくと、葉や実の形が悪くなったり、黄色く変色し、ひどい場合には枯れてしまうこともあります。

また、ウイルスを媒介してモザイク病を発生させたり、排泄物を通してべたべたした黒いすす状の汚れを発生させることもあるため、早めの駆除が必要です。

 

対策

冬期間、雑草を繁茂させたままにしたり、残渣を放置したままにしないことで、アブラムシがハウス内で越冬するのを防ぎます。

定植時は粒剤を使用し、その後は発生次第、早期に薬剤散布をします。紫外線カットフィルムや防虫ネットを張ることで、ハウス内への侵入を防止することができます。

春以降も圃場周辺の雑草除去を徹底しましょう。

 

農薬を使わずにアブラムシ対策

シルバーテープを張る・アルミ箔を敷く 

アブラムシはキラキラした光の乱反射を嫌う性質があります。

作物の株元に光を反射するシルバーテープやアルミ箔を設置することで忌避効果があります。

アブラムシは黄色に寄ってくる

アブラムシは黄色に寄ってくる性質があります。

圃場まわりに黄色の粘着テープを張り捕まえる方法や、黄色いバケツに水や油、お酢などを混ぜた液体を入れて放置しておくだけで、アブラムシが集まって溺れていきます。

 

 

アブラムシ類に効果的な農薬

アクタラ粒剤5

植付け前や定植時の1回処理で、さまざまな害虫から約1ヶ月間大切な作物を守ります。

殺虫活性が広く、作物の生育初期に発生するアブラムシ類、ハモグリバエ類などをしっかり防除します。

有効成分は速やかに作物に取り込まれ、作物のすみずみまで移行されるため、作物の生育に伴いしっかりと予防効果を発揮します。

【商品ページ】

 

 

チェス顆粒水和剤

汁を吸わせず餓死させる、ユニークな吸汁阻害作用をもつ殺虫剤です。

果菜類を加害するコナジラミ類やアブラムシ類に高い殺虫効果を示します。

浸透移行性が高く、作物のすみずみまでいきわたり、新葉や下葉の虫も確実に防除できます。

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ハチハチ乳剤

既存の殺虫剤と異なるタイプの殺虫剤なので、既存の殺虫剤に抵抗性を発達させた害虫に対しても効果があります。

アブラムシ・アザミウマ・コナジラミに対して、種類に関係なく優れた防除効果を示します。

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モスピラン顆粒水溶剤

高い活性や少ない薬量で長い残効性があり、速効性と強い浸透移行性を併せ持っています。

特に他の殺虫剤で耐性がついてしまった害虫に対しても効果があり、 耐性がついて農薬が効かなくなったアブラムシにもよく効きます。

【商品ページ】 

 

アーデント水和剤

ハダニ類、カメムシ類、アブラムシ類、シンクイムシ類、アザミウマ類など、幅広い殺虫スペクトラムを有し、茶・果樹・野菜・花きの主要害虫に対して優れた効果を示します。

温度の高低に関係なく安定した効力を示します。

【商品ページ】

 

ウララDF

アブラムシ類、コナジラミ類などの半翅目害虫や、アザミウマ類に対して殺虫効果があります。特にアブラムシ類に対しては、種に関わらず高い効果を示します。

【商品ページ】

 

モベントフロアブル

ハダニや幅広い吸汁性害虫(アブラムシ類、アザミウマ類、コナジラミ類など)に効果のある殺虫剤です。

生育期の散布だけでなく、育苗期に灌注処理を行うこともできます。

 

農薬使用上の注意

※必ず農薬容器のラベルなどを確認し使用基準を守りましょう(作物名、倍率、使用時期、使用回数等)

※マスクや保護メガネ、防除衣を着用し散布者の健康を守りましょう。

※周辺への飛散や水への流入がないよう注意し環境を守りましょう。

※専用の保管庫などを用意、管理し事故を防止しましょう。

※散布後は器具を洗浄し農薬散布の記録を残しましょう。