鹿沼土とは?
栃木県の鹿沼市にある関東ローム層で採取された軽石で、約4.5万年前に群馬県の赤城山が噴火したときの火山灰がたまって風化したものが「鹿沼土(かぬまつち)」として利用されています。
鹿沼土の特徴
酸性の土
鹿沼土は酸度がpH4~5の酸性です。酸性土壌を好むサツキやツツジ、ブルーベリーなどの植物栽培に基本用土の1つとして多く使用されます。
通気性、保水性、排水性に優れる
鹿沼土は軽石質なので土の粒にはスポンジのような穴がたくさん開いています。
そのため土の中で空気を通し、植物に十分な酸素を供給することができます。
また、粒の穴が水を吸い込み水分を保つことができる上に粒と粒の間に隙間が生まれ、たくさんの水が流れ込んできても隙間から水を通すことができます。
粒の大きさで使い分けができる
鹿沼土は粒の大きさが、大粒・中粒・小粒・細粒といった種類に分かれています。
粒の硬いものだけ選別した「硬質鹿沼土」という種類もあります。
粒が大きいほど排水性が高く、小さい粒になるほど保水力が上がり、使用する目的により使い分けることが出来ます。
- 【大粒】鉢底石として鉢の底が見えなくなるくらいまで敷くことで、水はけと通気性が向上します。
- 【中粒】盆栽や観葉植物などの植え付けに使用します。水はけも水持ちもバランスが良いです。
- 【小粒】酸性を好む草花、サボテン、多肉植物の土や挿し木用の土など花や野菜全般におすすめな使いやすいサイズです。水はけも水持ちもバランスがよいです。
- 【細粒】酸性度合いを強めるため他の土に混ぜたり、小さいサボテンや多肉植物の土に最適です。
- 【硬質鹿沼土】粒が硬く崩れづらいので通気性が長持ちし、長期間植え替えを行わない大鉢物や盆栽、花木等にとって最適な用土です。
鹿沼土でpH調整
野菜には育ちやすい土壌のpH(酸性、アルカリ性)があります。
pH7.0が中性で7.0以下が酸性、7.0以上がアルカリ性です。ピーマンをはじめ多くの野菜は6.0~6.5の弱酸性を好みます。
アルカリ性化した土を酸性に傾けたいときに鹿沼土を混ぜ込みpH濃度を調整することができます。
ポイント
・鹿沼土には肥料分は入っていないので、野菜などの作物を植え付ける時は堆肥や腐葉土、化学肥料などの栄養分が入った肥料を予め入れておきます。
・大量の鹿沼土を散布すると酸性に傾きすぎる場合があるので注意が必要です。
・作物に合わせて施用したら、pHを調べる酸度計を使用をして数値を確認しましょう。
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まとめ
鹿沼土は酸性土壌を好む植物や水はけの良い土が好きな多肉植物の植え込み材、挿し木、pH調整等多様な使い道があります。
鹿沼土の特徴を活かして活用してみてください!