石灰資材について

石灰資材の役割

酸性に傾いた土壌pHを中和する

石灰資材はアルカリ性の性質を持ち、石灰資材は主にpH値の調整のために使われます。

雨の多い日本は土壌からアルカリ成分が溶け出て土壌が酸性に偏りやすく、アルカリ性を持つ石灰資材は酸性に傾いている土壌を中和してくれ、作物が生育しやすいpH値に調整してくれます。

  • pH7.0が中性で7.0以下が酸性、7.0以上がアルカリ性です。ピーマンをはじめ多くの野菜は6.0~6.5の弱酸性を好みます。

 

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カルシウムの補給

石灰資材の主な成分はカルシウムです。施用することにより土壌中のカルシウム量が増加します。

ただし石灰資材の中でもカルシウムの補給ができるのは苦土石灰のみです。消石灰はアルカリ性が強く植物に吸収されにくいため、作物へのカルシウム補給には向きません。

 

石灰資材の種類

苦土石灰

 

苦土石灰は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが主成分でアルカリ分が53%以上です。

カルシウムやマグネシウムを含み、どちらも植物に必要な成分であり、苦土石灰は農業で一般的に使用される石灰資材です。

消石灰に比べてやや遅効性で緩効性のため過剰施肥による害が起きにくいです。

  • 苦土石灰=苦土タンカルです。地域によって呼び名が変わるだけであり、同じものです。

 

消石灰

水酸化カルシウムが主成分でアルカリ成分は60~70%と強いアルカリ性を持つ石灰資材です。酸度調整の面では速効性がありすぐ効果が出ます。

殺菌力が高く土壌消毒効果も期待できます。

消石灰が植物の根に触れると、強いアルカリで植物を傷めてしまいます。消石灰を散布した後に播種や定植を行う場合は、しっかり溶けるまで2週間以上の感覚を空けましょう。

皮膚や粘膜に触れると炎症を起こすことがあるため正しい使い方を確認しましょう。目に入って失明したという事例もあるため、施用の際には必ずゴーグルや手袋、マスクを着用しましょう。

 

有機石灰

炭酸カルシウムが主成分でアルカリ分は50%前後です。カルシウムを沢山含んだ牡蠣やホタテの貝殻やその化石が原料です。

水に溶けにくく、緩効性の石灰なので散布後すぐに種まきや定植が可能です。

有機石灰は貝殻などの有機質でできているため、微生物が活動しやすい環境にしてくれます。

有機質で安心ですが、そのぶんアルカリの効果はやや弱めです。その分失敗しにくいため園芸初心者の方にお勧めです。

 

生石灰

「せいせっかい」又は「きせっかい」「なませっかい」と読みます。

「しょうせっかい」とも読み取れますが、一般的に「しょうせっかい」と言えば消石灰を指しますので注意しましょう。

生石灰は酸化カルシウムとも呼ばれ、石灰岩や貝殻、サンゴなどを高熱で焼いた肥料です。

アルカリ分を80%以上も含み、速効性で反応が強く、土壌pHを急激に上昇させます。

水と触れると発熱するため扱いに注意が必要で、一般的に大量の生石灰を園芸で使うことありませんが、広範囲の土壌を消毒するために使われることがあります。

 

施用時の注意

苦土石灰、消石灰と堆肥・肥料は同時に施用しない

苦土石灰や消石灰を他の肥料を同時に土に混ぜてしまうと肥料に含まれる窒素と反応してアンモニアガスを発生させます。

肥料の窒素分は石灰と合わさることで、アンモニアガスへと変化して消失してしまいます。

また、アンモニアガスは植物の酸素を奪い酸素不足が生じ枯れてしまう原因にもなります。

石灰資材によって異なりますが、苦土石灰の場合は1週間、消石灰の場合は2週間ほど間隔を空けましょう。

有機石灰はゆっくり作用するので熱もガスも出ず、混ぜた直後でも植え付けや種まきができます。