C/N比とは

C/N比とは?

C/N比とは、C(炭素)とN(窒素)の比率を指します。

C/N比は土壌に含まれる炭素と窒素の割合を示す指標で、土壌の微生物活動や作物の栄養吸収に影響を与え、土壌の健康状態を判断する基準となります。

 

C/N比の計算方法

C/N比=炭素(C)の含有量 ÷ 窒素(N)の含有量

例えば、ある有機物の中に炭素が1,000mg、窒素が100mg含まれている場合、この有機物のC/N比は1,000÷100=「10」となります。

つまり、炭素10に対して窒素が1含まれている状態を意味します。

堆肥の保証標にC/N比(炭素率)が載っているものもあります。

 

C/N比の目安

数字が低いほど窒素の割合が多く、高いほど炭素の割合が多くなります。

C/N比は一般的には15〜20の範囲がバランスの良い理想的な値とされており、作物や環境条件に対して比較的安定した効果を発揮する目安とされています。

C/N比 微生物による分解作用
~10 分解が速く進む
10~30 分解されやすい
30以上 分解に時間がかかる
C/N比 資材の種類
~10 魚かす、鶏ふん、野菜残渣
10~30 牛ふん、馬ふん、豚ぷんなど家畜ふん堆肥
30以上 稲わら、もみ殻、おがくず、未熟なバーク堆肥、落ち葉

 

C/N比が低い場合

炭素量が少なく、窒素量が多い状態です。

例えば、C/N比が低い資材には鶏ふんや魚かす、米ぬかなどがあり、これらは分解が速く栽培初期から作物の生長を支える窒素をすばやく供給することができます。

しかし、肥料効果が高くなる一方で窒素が過剰になると、作物の徒長や病害虫の発生を引き起こすなど、作物の品質に悪影響を及ぼすおそれがあります。

C/N比が低い場合は、資材を施す際に適切な範囲に調整することが重要です。

 

C/N比が高い場合

炭素量が多く、窒素量が少ない状態です。

例えば、稲わらやおがくず、籾殻、未熟なバーク堆肥といった有機資材は、C/N比が30以上と高く、これらは微生物による分解に時間がかかります。乾燥した状態で投入した場合には更に時間がかかってしまいます。

この場合、分解の過程で微生物が土中の窒素を奪ってしまい窒素が不足し、窒素飢餓に陥る可能性があります。

窒素飢餓が起こると作物が必要な窒素を得ることができず、生育障害の原因となります。

このようにC/N比が高い場合は、別途窒素肥料を施し、バランスを取る必要があります。

 

適切なC/N比の管理

C/N比を適切に管理することは、作物の成長を促進し、収穫量を向上させるために重要です。

C/N比が高い場合は、窒素肥料を追加することでバランスを取ることが可能です。

また、C/N比が低い有機物を併用することで、窒素飢餓のリスクを軽減することができます。