ピーマンを育てていて、実が黒く変色した経験はありませんか?これは黒果と言われ、食べることには問題ありません。
黒く変色した部分は「アントシアニン」によるもので、これには抗酸化作用があります。
ですが、ピーマン栽培をする農家にとっては黒果になってしまうと出荷できなくなってしまいます。
農家にとっては死活問題の黒果の発生を防ぐため、黒果について詳しく解説していきます。
黒果とは?
夏の強い直射日光などの強光、低温(乾燥)下で起こる生理障害の一種で、植物色素のアントシアニンが表面に発生することにより黒く変色します。
着色果、アントシアン果、黒あざ症、黒あざ果等とも呼ばれています。
若果や、老果では、発生しにくいようです。
時期
6月~9月以降に発生しやすくなります。
原因
夜低温で生育が弱っている時に、翌日果実に直射日光が当たることが原因です。この時に土が乾燥していると、より黒変が進みます。
高温性野菜であるピーマンの生育適温は20~30℃で、15℃以下では生育が低下します。
低温(乾燥)下で、植物体内の養水分の流動が低下している中、強い太陽光から身体を守るために、光が当たる部分にアントシアニンを発色させています。
アントシアニンを発色させることで、強光による葉緑体の活性低下を抑え、光合成の低下を抑えることに繋がっています。
対策
・適切な水やり、枝の整枝作業は程度に実施し葉や枝を除去しすぎないようにします。
・ハウスの換気を急激にしないとともに、果実に直接光が当たらないように整枝します。
黒くても美味しく食べられます!
黒果になってしまった場合、我々ピーマン農家は出荷はできませんが、味は変わりませんので美味しく食べることが出来ます。
最初は黒く変色していてビックリするかとは思いますが、この黒果の原因「アントシアニン」は、ブルーベリーなどに多く含まれているポリフェノールです。
ポリフェノールにはビタミンCやビタミンEと同じような抗酸化作用が期待されています。