日当たり改善、必要な光量について解説します

  

初めまして!岩手県一関市でピーマン栽培をしている小野寺と申します。

ピーマン栽培にとって良い環境条件として、日当たりは重要な要素の一つになります。

ピーマンは日光を好む野菜です。ピーマンを日当たりのよい場所に植えることで多収穫につながります。

ここでは、どのくらいの光(日射)があればピーマンが育つのか、詳しく解説していきたいと思います。

 

ⅰ 光量とは?

一定の面を一定時間内に通過する光束の総量のことで、光度エネルギーとも呼ばれます。位はlux(ルクス)になります

植物は光合成をすることにより、必要な糖分(炭水化物)を得ています。

光合成とは、根から吸収した水と空気中の二酸化炭素をもとに光度エネルギーを使って、茎葉が糖分を作る作用のことです。

ⅱ ピーマンに必要な光量

ピーマンの生育に必要な光量は4000ルクス以上です。この光量はトマトやナスに必要な光量と比べるとそんなに高い光量ではありません。

ですが、ピーマンもトマトやナスと同じ「陽性植物」なので、日当たりの良い場所に植えることで大きく育ち、果実も沢山収穫できるようになります。

陽性植物は一日中(およそ6時間以上)直射日光が当たるところを好み、日陰では育ちません。

 

知っていますか?光飽和点

植物は、光が強くなるほど光合成が促進されますが、ある強さになるとそれ以上光合成量が増えなくなリます。

この光合成量がほぼ一定になる光の強さをその植物の光飽和点と呼びます。

ピーマンの光飽和点は3万ルクスといわれています。光量が低下すると収量が減少しますから、日照不足は禁物です。

逆に光が強すぎる場合は、果実の日焼けを引き起こすことがあるので注意します。

ⅲ 日当たり改善方法

ピーマンが最も光合成を行う時間帯は主に昼間から夕方の数時間とされ、夜間に栄養を果実に送り届けます。

ピーマンの果実を大きくするためには、直射日光が1日に最低でも4時間ほど当てて育てる事が良いとされます。

ベランダなどで栽培している時は日の当たり方を観察しておき、少しでも日が長く当たる位置に鉢を移動させましょう。

一番花から下の脇芽や上部の傷んだ葉っぱを間引いて株元や果実への日当たりと風通しをよくすることも効果的です。

 

ビニールハウス栽培の場合は…

毎年張り替えられれば一番良いですが、ビニールの張り替えは労力もお金もかかってしまいます。

下記にある方法でしっかりと日射量を確保して光合成の効率化を目指しましょう。

 

①ハウスのフィルム洗浄 

ハウスの屋根が汚れていては、そもそもハウス内に入ってくる日射量をしっかり得られません。

定期的に屋根や側面のホコリ、苔を掃除して光線透過率を高めるようにしましょう。

 

②散乱光のフィルムの利用

日射は散乱光化させることが有効だといわれています。散乱光化とは、直射日光を四方八方に放出させ光を散乱させる現象です。

散乱光によって作物全体の光合成量のアップが期待できます。

また紫外線や高温による植物の葉焼け、果実焼けや色素落ち、ハウス内の高温化を防ぐ効果もあります。

 

③シルバーマルチの利用 

光の反射効果があります。果実の着色が良くなると同時にアブラムシやアザミウマ等に対する忌避効果作用も期待できます。

また保温効果、地温抑制効果もあります。

 

まずはハウスの清掃といった基本的な事から、日射量をしっかり確保し、ピーマンにたっぷり光を与え、美味しい果実を沢山収穫できるようにしたいですね!