畑やハウスの除草について

畑やハウスの雑草は、作物の生育を悪くしたり、病害虫などの被害にあうリスクも増えます。

繁殖力が強く生育範囲はあっという間に広がり、日照の悪化や見栄えの悪さもある為、早急に処理をしたいものです。

農作物を栽培する圃場では安全で効果的に除草除草を行わなければなりません。

このページでは除草剤の効果的な使い方や防草シートについて詳しく解説していきたいと思います。

 

除草剤の種類

土壌処理型

土壌処理剤は雑草が出てくる前に除草剤をまき、根から薬剤の有効成分を吸収させることで効果を発揮します。

雑草の成長を抑える特徴があるため、草が短いうちに使用すれば雑草が育ちにくい環境を作ることができます。

土壌処理剤は顆粒タイプのものが多く、水分と一緒に雑草に吸収されます。そのため土壌が乾燥していると除草効果が低下してしまいます。

 

茎葉処理型

茎葉処理剤は雑草の茎や葉に直接散布して枯らす、比較的即効性に優れたタイプの除草剤です。

液状の薬剤が多く、葉を通して成分が吸収されるため、既に生えている雑草に対して効果を発揮します。

 

ハイブリット型

土壌処理型が持つ効果持続性と茎葉処理型が持つ即効性とを兼ね備えた除草剤です。

すぐに雑草を処理したい方やできるだけ除草作業の頻度を少なくしたい方におすすめです。

 

選択性と非選択性

選択性

選択性とは特定の植物しか枯らさないタイプです。

芝生や水稲など、枯らせたくない植物がある場合には選択性の除草剤を使用するとよいでしょう。

選択性の除草剤は、特定の雑草にしか効かないため商品によって作用する植物に違いがあるので購入前に確認しましょう。

 

非選択性

薬剤がかかった全ての植物を枯らしてしまうタイプです。

ほとんどの除草剤が非選択型ですので、農作物にかかれば枯れてしまいますので注意しましょう。

 

農耕地で使用できるかどうか

農耕地用

除草剤を農作物を育てる畑や田んぼ、菜園などで使用する場合、除草剤が農耕地で使用できるものか否かをしっかり確認しましょう。

農薬取締法に基づいて国に農薬登録されている除草剤は、薬効や薬害、残留性、動植物への毒性・影響がきちんと調査され、農林水産省の登録がなされたものです。

ただし、農耕地用といっても農作物に直接かかってしまうと枯れてしまうので注意しましょう。

 

非農耕地用

通路や駐車場、墓地など農作物を植えない場所に散布する時は、非農耕地用の除草剤が使用できます。

非農耕地用の除草剤は、パッケージに農薬として使用できない旨の表記が義務付けられているので、購入前にその除草剤が非農耕地用かどうかが分かります。

農薬登録されているものでも、作物名が「樹木等」になっているものは、適用場所が公園や庭園、駐車場、道路、宅地などに限られており、非農耕地用になりますので注意が必要です。

 

除草剤を撒くタイミング

土壌処理型は2~3月、9~10月頃に散布するのがよいでしょう。

効果が表れるまでに時間がかかるため、2~3月は春先の雑草退治、草勢が落ち着いた後の秋頃の年2回まきましょう。

効果の持続時間は、3カ月~9カ月ほどで商品によって異なるので、土壌処理型を年2回に分けてまけば、年間を通じて雑草が生えにくい環境を作ることができます。

 

茎葉処理型は4~10月の草が生い茂ったタイミングでまきましょう

葉や茎から吸収されるタイプなので、十分に草が生えきっていないと効果を発揮できません。

また、液状タイプの除草剤は強い日差しで蒸発する懸念もあるため、朝や夕方などの涼しい時間帯に散布しましょう。

 

除草剤一例

多様な草種に対する除草効果が高く、日陰や低温でもしっかり枯らし、効果発現の早さと効果の持続性に優れています。作物や土壌、環境に対する影響が少ない除草剤であり、さまざまな場面でご使用いただけます。

手強いスギナの根をより確実に枯らすことができます。雑草の茎葉にかからずに土に落ちた成分は、処理後1時間以内のごく短時間で土の粒子に吸着し、その後微生物のエサとなって自然物に分解されます。ラウンドアップは野生生物・鳥類・昆虫類にも極めて安全性が高く、世界の環境保護区や、世界遺産の保全に広く利用されています。

主成分はアミノ酸系で土に残留しないので、散布後すぐに種まきや、苗の植付けもできます。野菜類、お米、豆、小麦、果樹類など、多くの作物に農薬登録があります。

現在の登録作物数は80作物以上で多くの作物に使用できます。地面に落下した有効成分は土壌微生物によりすばやく分解されるので、土にも環境にもやさしい除草剤です。イネ科、広葉、一年生、多年生を問わず、ほとんどの雑草に高い効果を示します。

 

防草シートの活用

防草シートは雑草の生えている所に敷くことで、紫外線を遮断して植物の成長を抑える働きがあります。

除草剤の使用回数や使用量を減らすこともできます。

農作物を植えている脇の通路に敷くことで歩きやすくなり、作業効率の向上にも繋がるでしょう。

 

防草シートのメリット

雑草の成長を抑制
遮光性が高く日光を遮断し雑草の成長を抑える働きがあり除草作業の負担が軽減できます。
水の浸透性
防草シートは水を下に通すため、シート上に水溜まりができることはありません。
安全性
薬剤を含まないため周りの植物やその土に影響を与えません。小さなお子様やペットがいる家庭にとっては、薬品による影響を気にせずに雑草を予防することができます。

 

防草シートのデメリット

隙間があると草が生えてくる
シートとシートの間にすき間があると、間から雑草が生えてしまい、除草効果が薄れてしまいます。
紫外線による劣化
長期間紫外線を浴びることでシートがダメージを受け劣化し、遮光性が薄れ光を通しやすくなってしまいます。
風でめくれ上がる
防草シートをピンで固定しなかったりピンが外れてしまうと、風で簡単にめくれ上がり、効果が発揮できません。